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「………………………」 「おや……よく似合ってるじゃないですか」 「そりゃどうも……。 いきなり昨日に約束を取り付けてきたと思ったら、 今度は自分の服を没収されるとはね。 全く……、君は嫌がらせの天才だな。牙琉」 「そう言わずに。 たまには、きっちりとした格好をしないと 気が緩み切ってしまいますよ? それにしても、相変わらず個性的な髪型だね」 「ソレ、お前には言われたくない」キッパリ 「こんばんは、お久しぶりですね。オーナー」 「牙琉先生、本日もご来店ありがとうございます。 えぇ、席はちゃんといつものところを取っておきましたので… 私がご案内致しましょう」 「それでは、どうぞごゆっくりなさって下さい」 …こ、こんな高そうな店によく食べに来てるのか。 まぁ、こいつが居酒屋や屋台のおでんを 食べている姿はあんまり想像できないけど。 「何でも好きなモノを頼んでもらって構いませんよ 今日は私の奢りです」 ぼくはこいつの出した条件として、ここに来たわけだが…… 条件を出された側が奢られるなんて変な感じだ。 奢って貰えるに越したことは無いとはいえ、ね。 「ご注文はお決まりでしょうか?」 「そうだな……」 「じゃ、ぼくはヒレステーキで」 「私も彼と同じものを」 「かしこまりました」 「牙琉……ほんと、君って奴は分からないな。 ぼくへの情報を提供するのに、 どうしてここで飯を食う必要があるんだ? 一体、君に何のメリットが?」 「簡単なことです。 単純に、親友の君と一度この店に来たかった。 ……君だって、ボルハチの料理も そろそろ食べ飽きたんじゃないですか?」 本当にその通りなら、友情にあつい男だと こいつを見直すかもしれない。 ………でも、こいつに限ってソレは無いだろうな。 長年、こいつと付き合ってきたから、 さすがにそこんとこは、よく分かってるつもりだ。 BACK  NEXT sims2 top