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「ふふ…… そんなに怪しまないでも大丈夫ですよ。 本当に、食事以上のことは求めはしませんから」 「お待たせいたしました」 「ありがとう」 「さぁ、まずは乾杯といきましょう」 「乾杯、ね……何に乾杯するんだい?」 「我々の友情に、ですよ」 「……うさんくさい乾杯だなぁ」 まぁ、いいか。 美味い酒を呑むのも久しぶりだ。 美味い飯と、その上、情報までくれるっていうんだから、 至れり尽くせりってやつだな。……今のところ。 「それにしても……君も、随分と粘るんですね」 「何がだい?」 「とぼけないで下さい。 7年もあんな裏ぶれた店に紛れて情報収集だなんて……普通じゃ出来ない」 「……君なら知ってるだろ。あの事件のことを。 あいつらを裁くためには……どうしても情報がいる。裏の世界のね」 「元依頼人のために、弁護士という職まで捨てて……そこまでして、ですか」 「真実を追及するのが、弁護士の仕事だからさ」 「自分の命や地位を捨ててまで、そこまで君にとって大切なモノ…… そう言いたいんですね。……君って人は、7年前からちっとも変わらないな」 BACK  NEXT sims2 top